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社会保険労務士と行政書士のダブルライセンスの注意点

 

個人事業の開業・廃業等届出書

 

社会保険労務士と行政書士の両方の資格を持っている方、結構いますよね。社会保険労務士として顧問をしている建設業などの企業の行政手続きも任せてもらえるので、シナジー効果はまあまああるんじゃないでしょうか。

それを目指してこれから行政書士の資格を取ろうとしている社会保険労務士の方もいらっしゃると思います(その逆も)。その際、「あれ? これってどうなの?」というちょっとした疑問点について、説明します。

個人事業として社会保険労務士の事務所を開業した際、「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出しましたよね? そこに「事業の概要」という欄がありますが、例えば「社会保険労務士の業務」などと書いたんじゃないかと思います。
個人事業の開業・廃業等届出書

 

その後、行政書士としても開業した場合、「事業の概要」が異なるので、行政書士としての開業届出か、変更の届出が必要なのかなと思いましたが、必要ないそうです。個人事業主はあくまで一人の個人であって、異なる事業をやっていても確定申告はまとめて行いますからね。事業の概要は参考程度に聞いているんじゃないでしょうか。

 

源泉所得税は?

 

さて、それでは源泉所得税についてはどうなるでしょうか?

源泉徴収とは企業が従業員に給料を支払う際に、予想される所得税を先に引いて渡すシステムですが、個人事業の士業に報酬を支払う場合にもこれが適用されるんです。弁護士、税理士、社会保険労務士などが該当し、個人事業のこれらの士業に報酬を支払う場合は、100万円以下は10.21%(復興特別所得税率2.1%が加わってややこしくなりました)、100万円超は倍の20.42%(なかなかない報酬額なので、ほぼ無縁な数字です)の源泉徴収が必要なのです。個人事業としての士業は、従業員へ給料を渡すのと同じ扱いになるということなんですね。

事務所が法人化して、社労士法人になっている場合には、企業からの報酬は源泉所得税を引く必要がありません。社労士法人から社員へ給与を支払う際に源泉徴収されます。

私はこれを知らずに、開業してからしばらく経ってから、先輩の社会保険労務士に聞いてビックリしました。それまで誰も教えてくれなかったので、危ういところでしたが、幸い(?)、請求書を出せるような仕事もそれまでなかったので大丈夫でした。事務指定講習で教えてほしいですよね。

社会保険労務士にとっては常識なので、請求書は源泉所得税を引いた額を記載しますが、実はこれ、なぜか行政書士には適用されません。なので、行政書士で開業してから社会保険労務士になった場合はわからないんじゃないでしょうか。

個人事業で社会保険労務士と行政書士をやる場合、報酬から所得税を源泉徴収されるかどうか、これはその仕事が社会保険労務士としてしたものか、行政書士としてしたものか、によって変わることになります。どちらの仕事もまとめて報酬をもらう場合は、それぞれを区別して請求書を出すようにしましょう。

 

社労士も行政書士も、資格を持っていないとできない仕事があります。どちらの資格で請け負う仕事かをしっかりと区別して、顧客にも説明するようにしましょう。

 

 

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