平成30年10月1日から、健康保険の被扶養者(異動)届に添付書類の取り扱いが、少し変更されています。
これまでは省略が可能であった書類が、必要になるケースが出てきました。
また、届出書の様式が少しだけ変更になっています(窓口では平成31年1月から置かれるようですが、厚生労働省のホームページではすでに変更されているのでダウンロードして使用できます)。
続柄の確認
健康保険の被保険者になれるのは、
①被保険者に生計を維持されている直系尊属、配偶者、子、孫、兄弟姉妹
②被保険者に生計を維持されていて同居している3親等以内の親族、内縁の配偶者の父母および子(配偶者の死後も含む)
となっています。
この続柄を確認するために、下記のいずれかが必要です(3か月以内のもので原本が必要)。
- 戸籍謄(抄)本
- 住民票
ただし、下記の①②を満たす場合には、 省略できます。
①被保険者と被扶養者それぞれのマイナンバーが記載されている。
②続柄に相違ないことを事業主が確認し、備考欄に「続柄確認済み」と記載している。
(新様式では、備考欄に赤字で「※続柄確認済み □」と印刷されており、チェックすれば済むようになっています)
収入の確認
健康保険の被保険者と認定されるためには、続柄以外に収入要件があります。
同居の場合 | |
---|---|
60歳未満 | 年収130万円未満 かつ被保険者の年収の1/2未満 |
60歳以上 または障害者 | 年収180万円未満 かつ被保険者の年収の1/2未満 |
この収入を確認するために、課税証明書等が必要となります。
ただし、下記①または②に該当する場合は、 省略できます。
①所得税法上の控除対象であることを事業主が確認し、「確認」に丸を付けている(事業主記入欄の下部に事業主確認欄あり)。
(障害年金、遺族年金、失業給付等の非課税収入がある場合は、通知書等のコピーが必要)
②被扶養者が16歳未満。
所得税法上の 控除対象でない場合は、下記の書類が必要です。
- 退職した場合 → 退職証明書(コピー可)または離職票のコピー
- 退職後に基本手当を受給中または受給修了 → 雇用保険受給資格者証のコピー
- 年金受給中 → 年金証書、改定通知書、振込通知書のコピー
- 自営業収入または動産収入がある場合 → 確定申告書のコピー
- その他 → 課税証明書(原本)
別居の場合の仕送額の確認
上記の直系尊属や配偶者、子孫、兄弟は被保険者と同居していなくてもいいのですが、別居しているときは被保険者からの仕送り額と年収の比較が必要になります。
別居の場合 | |
---|---|
60歳未満 | 年収130万円未満 かつ仕送り額よりも少ない |
60歳以上 または障害者 | 年収180万円未満 かつ仕送り額よりも少ない |
この仕送りについて確認するために、下記の写し等が必要になります。
- 振込の場合・・・預金通帳等の写し(被扶養者の通帳)
- 送金の場合・・・現金書留の控え
ただし、仕送を受ける方が 16歳未満または 所得税法上の向上対象である16歳以上の学生の場合は添付不要です。
仕送り額については、届出書の備考欄に1回あたりの仕送額を記載します。年複数回の仕送りのときは、申立書欄に仕送回数を記載します。
仕送額が一定でないときは、申立書欄に1年間の仕送回数、1回ごとの予定額、年間合計を記載します。
具体的事例に関する対応例
たとえば、こんな場合はどうすればいい? という具体例です。
ただし、 実際のお手続きの際は、事前に年金事務所の窓口で確認してください。
子どもが生まれてすぐはマイナンバーカードが発行されない → 「出生届の受理証明書」(有料)を発行してもらい、添付してください。
仕送を手渡しでしている → 申立書欄に記載し、生活費の根拠となるレシート等を添付する場合もあります。
家賃の振込が仕送の一部 → 不動産会社への振込書のコピーを添付します。
仕送の代わりにクレジットカードを渡している → カード明細書を添付します。
実際には同居しているが、住民票では別居になっている → 第三者に証明してもらう、などしてください。
続柄や収入を証明する書類を省略する場合の記入箇所についてわかりやすく説明しているものを掲載しておきます。
扶養者届 添付省略の場合の記入箇所(金沢北年金事務所より)