最近では完全週休二日制が主流になってきました。大企業ではもちろん、中小企業でもどんどん休みが増えてきています。
そういう待遇でないと、人も集まらない時代になっています。今は、年間休日100日では、若い人の応募がないと言われています。最低ラインは105日、できれば110日という話も聞きますね。
休日というのは、労働基準法の最低基準と、ルールを守れば会社が決めることができます。増やす分には労働者にとって有利になりますから、制限はありません。
労働時間と休憩についても合わせてご覧ください。
法定休日と所定休日
法定休日
法定休日とは、労働基準法で定められる最低基準の休日数のことです。法定休日にも仕事をさせたい場合は、36協定の締結と届出が必要です。休日労働の場合には、割増賃金の支払いが義務付けられます。
第2項 前項の規定は、 4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については適用しない。
毎週、必ず1回の休みを与えなさい、それができないときでも4週間に4日の休日を取らせなさい、ということです。
極端なことをすれば、4週間の最後の4日を休みにするということでも構いません。それが何曜日でも関係ありません。
所定休日
完全週休二日制の場合、たとえば日曜日が法定休日だとすると、土曜日と祝日は「所定休日」(=法定外休日)ということになります。正月休みもゴールデンウイークも盆休みもこの場合、日曜日以外は所定休日です。
所定休日とは、法律で決められた最低限の基準にプラスして、会社が休みと決めている休日のことです。
所定休日の出勤は、法律上、「休日労働」とは なりません。36協定の届出も不要ですし、割増賃金の支払義務も法律上はありません。
法定休日をいつにするか会社が明確にする義務はありませんが、法定休日に出勤した場合には割増賃金の支払が必要になることを考えると、土曜日か日曜日のいずれかを法定休日に決めて就業規則に明示しておくほうがわかりやすいですね。
また、働き方改革で時間外労働の上限規制が厳格化しました。時間外労働か休日労働かは特別条項を出すか否かに関わりますので、法定休日を特定する意味はあると思います。
休日に関する通達等
交替制勤務の場合
休日は、「歴日」で与えられなければなりません。歴日とは 午前0時から深夜24時の丸一日を指しますので、この場合イコール24時間あればいいというわけではありません(昭和23年4月5日基発第535号)。
1昼夜交替制(12時間の勤務交替)の場合でも、歴日の休日が必要ですので、夜勤明けの日の、さらにその翌日の24時まで休まないと休日とは認められません(昭和23年11月9日基収第2968号)。
しかし、8時間3交替の場合には、①交替制が就業規則で定められており②規則的に(任意ではなく)交替が決められているときは、24時間の連続休息(歴日ではなくても)で1日の休日とみなすことができます。
その他、旅館の事業や自動車運転手についての例外通達もありますが、ここでは省略します。
(昭和57年6月30日基発第446号、平成元年3月1日基発第93号、平成11年3月31日基発第168号)
出張中の休日
出張に関しては、以下の通達があります。
(昭和23年3月17日基発461号)
出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品の監視等特別の指示がある場合以外は、休日労働として取り扱わなくても差し支えない。
法定休日に出張した場合は、休日が移動日であった場合も含めて「 労働ではない」とされています。ただし、物品の監視などの指示があれば、使用者の指揮命令下にあるものとされるので、休日労働とみなされます。
しかし、出張先への移動日を労働時間ではないと言われても本人にとっては納得がいかないのではないでしょうか。
こういった場合には、食費はもちろん、日当などの 手当規定を就業規則で定めておくとよいと思います。
振替休日と代休
振替休日
休日の振替とは、事前に 法定休日と労働日を入れ替えることをいいます。
たとえば今週の日曜日にイベントがあるから出勤しなくてはいけない、とします。その際、事前に金曜日を休みにし、日曜日に出勤させたとしたら、金曜日が振替休日になります(翌月曜日でも構いません)。
このとき、金曜日が休日で日曜日は所定の労働日に振り替わりますので、日曜日の出勤は休日労働ではないので、割増賃金の支払いは不要となります。
この取り扱いをするには、就業規則で定めていることが必要です。
代休
代休とは、法定休日に労働をさせた後に、代わりに労働日を休日として与えることをいいます。
どうしても納期の決まった仕事が終わらず、日曜日に出勤したとします。代わりに翌週の水曜日に休みをもらった場合には、日曜日は休日労働という扱いになり、割増賃金の支払いが発生します。この場合、水曜日には休んでいますので、上乗せではなく、35%分だけの支払が必要ということになります。
罰則
法定休日に関しての違反は、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金となっております。
休日の規定の対象外の者は、>労働時間、休憩、休日の対象外
ピンバック: 労働時間とは
ピンバック: 労働契約を結ぶときの注意事項
ピンバック: 時間外労働・休日労働と36協定
ピンバック: 労働時間、休憩、休日の対象外