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みなし労働時間制・裁量労働制

 

普通の仕事は業務量に対して一日の業務時間が決まっており、その時間を管理されて働くものですが、業務の種類によってはそうした通常の時間管理には馴染まないものがあります。

そういう業務に対しての労働時間管理のために設けられた制度が みなし労働時間制 裁量労働制というものです。裁量労働制はさらに 専門業務型 企画業務型の2種類に分かれています。

 

これらの制度は、 実際の労働時間にかかわらず、一定の時間を労働したものとみなすものです。

 

みなす時間は 1日についての時間数になります。1週間についてみなす、ということはできません(1週間や1か月で均すのは変形労働時間制になります)。

 

労働時間に関しては、>労働時間とはを参照してください。

変形労働時間制に関しては、>変形労働時間制とフレックスタイム制を参照してください。

 

 

事業場外労働のみなし労働時間制

 

この制度は、自宅からの 直行直帰が認められている営業マンなど、事業場に寄らないためにタイムカード等での管理ができないため、何時から何時まで働いたかは問わないが所定労働時間分の労働をしたものとみなすというものです。

直行のみ、または 直帰のみの場合でも適用されます。

 

原則

 

原則、労使協定は不要です。

 

事業場外」で働けば、必ず適用できるというわけではありません。使用者がの 指揮監督が及ばず、労働時間の算定が困難であるということが必要です。

したがって下記のようなものには、みなし労働時間制が 適用されません(昭和63年1月日基発第1号)。

  • 事業場外労働をするグループに労働時間を管理する者がいる
  • 携帯電話等で随時、指示を受けている
  • 事業開始と終了時に事業場に立ち寄る

業務量が多い場合

 

通常はみなし労働時間制を適用する業務に該当する場合でも、業務量からすると とても所定労働時間内では終わらない、という場合には、通常必要とされる時間を労働したものとみなします。

この「通常必要とされる時間」は 労使協定で定めることもできます。この労使協定は、法定労働時間を超える場合には届出が必要になります。

 

専門業務型裁量労働制

 

専門業務に携わる労働者については、成果が出してくれればいいという観点で設けられた制度です。

業務の遂行の手段と時間配分を労働者の裁量に委ねることが大事で、使用者が具体的な指示をすることが困難である、ということが必要です。

 

対象業務

 

対象となる19の業務が決まっています。これ以外の業務は対象となりません。

  1. 研究開発
  2. システムエンジニア
  3. 取材、編集
  4. デザイナー
  5. プロデューサー、ディレクター
  6. コピーライター
  7. システムコンサルタント
  8. インテリアコーディネーター
  9. ゲームソフトの創作
  10. 証券アナリスト
  11. 金融商品の開発
  12. 大学での教授研究
  13. 公認会計士
  14. 弁護士
  15. 建築士
  16. 不動産鑑定士
  17. 弁理士
  18. 税理士
  19. 中小企業診断士

 

労使協定

 

採用には、労使協定を締結し届出することが必要です。協定には下記の事項を定める必要があります。

  • 対象業務
  • みなし労働時間(1日)
  • 裁量労働制とする理由
  • 労働者の健康と福祉を確保する措置
  • 労働者の苦情処理に関する措置
  • 有効期間(3年以内が望ましい)

 

企画業務型裁量労働制

 

事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査、分析の業務に関して、時間管理を労働者の裁量に委ねるべき場合に採用されます。経営中枢に関わる重要な業務で、使用者が具体的な指示をしないことが必要です。

 

また、対象となる労働者は、対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有することが必要です。

 

労使委員会

 

この制度の採用には労使委員会の決議が必要です(労使委員会の設置自体については届出不要)。

 

労使委員会において、委員の 5分の4以上の多数決で決議をし、労働基準監督署への届出が必要です。

届出内容は、下記のとおりです。

  • 対象業務
  • 対象となる労働者
  • みなし労働時間(1日)
  • 労働者の健康と福祉を確保する措置
  • 労働者の苦情処理の措置
  • 労働者の同意
  • 有効期間(3年以内が望ましい)

その他の義務

 

下記について、使用者は有効期間満了後3年間の保存義務があります。

  • 労働時間の状況
  • 労働者の健康と福祉を確保する措置、苦情処理の措置
  • 労働者の同意

また、下記について使用者は6か月以内に1回ごとに労働基準監督署への報告が義務付けられます。

  • 労働時間の状況
  • 労働者の健康と福祉を確保する措置