money per time

最低賃金

 

今年も12月31日に特定最低賃金の改定がありました。

石川県でいえば、だいたいどの業種も20円程度の上昇でした。

 

最低賃金はその名の通り、労働者を使用する場合に支払わなければならない最低額です。これを下回って労働者を使用すると、 罰則を受ける可能性もあります

事業主としては必ず確認したい数字であるとともに、その内容についてもしっかりとした理解が必要です。

 

最低賃金の決定

 

労働基準法には最低賃金に関しては、以下の条文で、最低賃金法に委ねています。

第28条 賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる。

 

 

地域別最低賃金

 

最低賃金法には2種類の最低賃金が定められています。競合する場合は、金額の高いほうが適用されます。

 

1つが地域別最低賃金で、都道府県ごとの全業種適用の基本となる指標です。

毎年10月1日に改正が発効され、平成30年は806円になりました(781円から25円増額)。

 

地域別最低賃金の上昇率は、>最低賃金はどこまで上がる?をご覧ください。

 

地域別最低賃金は、最低賃金審議会(中央・地方)の意見を聞いて、厚生労働大臣(または都道府県労働局長)が決定します。

決定にあたっては、以下の事項を考慮することになっています。

  • 労働者の生計費
  • 労働者の賃金
  • 通常の事業の賃金支払能力

 

特定最低賃金(産業別最低賃金)

 

もう1つが特定最低賃金で、これは業種ごとに地域別最低賃金より高い金額設定をする場合に設けられる「 産業別の最低賃金」です。地域別最低賃金に対する例外で、「 地域別最低賃金において定める最低賃金額 を上回るものでなければならない」とされており、普通はこちらのほうが優先されます。

毎年12月1日に改正が発効され、平成30年は下記のとおりとなりました。

業種時間額前年からの増加額
石川県綿紡績、化学繊維紡績、毛紡績、その他の紡績、染色整理、網、漁網、網地製造業782円
石川県金属素形材製品、ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等、その他の金属製品、はん用機械器具、生産用機械器具、発電用・送電用・配電用電気機械器具、産業用電気機械器具製造業900円+20円
石川県自動車・同付属部品、自転車・同部分品製造業900円+20円
石川県電子部品・デバイス・電子回路、民生用電気機械器具、電子応用装置、情報通信機械器具製造業847円+21円
石川県百貨店、総合スーパー840円+20円

なぜか、紡績・網などの製造業の増額がなく、地域別最低賃金を下回ったので地域別最低賃金の方を適用されるということになっています。特定最低賃金は、地域別最低賃金を上回るように決定されるのが普通なんですが。

 

適用の対象者

 

地域別最低賃金については、すべての労働者に適用されます。

 

特定最低賃金の適用対象

 

特定最低賃金は、基本的には地域別最低賃金を上回るように金額設定されていますので、この業種に該当する会社の従業員には、こちらが適用されます。

 

ただし、以下の場合には、適用が除外されます。

  • 18歳未満の労働者
  • 65歳以上の労働者
  • 雇入れ後一定期間未満で技能習得中の間
  • その他当該産業に特有の軽易な業務に従事の場合

最低賃金の減額

 

下記のような方を雇用する場合、通常通りの最低賃金を当てはめると かえって雇用の機会を狭めてしまう恐れがあるため、労働局の許可を受けたときは、 最低賃金以下での雇用が認められます

1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力が低い
2. 試用期間中
3. 認定職業訓練のうち厚生労働省令で定めるものを受けている者
4. 軽易な業務に従事
5. 断続的労働に従事す

 

許可の申請先は、都道府県労働局(労働基準監督署経由)です。

 

派遣労働者の場合

 

派遣労働者の最低賃金は、派遣元の都道府県や業種に関係なく、派遣先の地域別最低賃金または特定最低賃金が適用されます。

 

最低賃金の計算方法

 

算入しない賃金

 

「基本給だけでは最低賃金を下回るけど、手当をつければ超える」という場合は、どうなるでしょうか。

最低賃金と比較すべき賃金は、 下記のものは含まれません

  • 臨時の賃金、 賞与
  • 時間外労働、休日労働、深夜労働の 割増賃金
  • 精皆勤手当
  • 通勤手当
  • 家族手当

 

計算方法

 

賃金は、基本給に諸手当を加えて(上記の手当は除く)、所定労働時間で割ることで 時間単位のものに変換し、最低賃金と比較してください。

 

注意事項

 

罰則

 

最低賃金以下の賃金しか支払っていなかった場合は、その足りない部分を支払わなくてはならないだけではなく、罰則があります。

 

地域別最低賃金に違反した場合には、最低賃金法に基づき50万円以下の罰金があります。

特定最低賃金に違反した場合には、労働基準法に基づき30万円以下の罰金があります。

 

周知義務

 

使用者は、下記の内容を常時作業場の見やすい場所に掲示するなどの方法により周知する必要があります(労働局のポスターを張っておくのがいいです)。

  • 最低賃金の適用を受ける労働者の範囲
  • 最低賃金額
  • 算入しない賃金
  • 効力発生年月日

 

 

One comment

  1. ピンバック: 労働契約を結ぶときの注意事項

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