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キャリアアップ助成金(正社員化コース)

 

労働局の関係の助成金で、今、最も使いやすく、金額的にもメリットの大きいのが、このキャリアアップ助成金(正社員化コース)だと思います。
特に派遣労働者を正社員化する場合に使用でき、さらに加算もあるので非常に需要がある助成金だと思います。

内容は、非正規の社員を正社員にした場合にもらえるのですが、実は、 有期労働者を無期(非正規でも)にした場合でももらえるのです。
その他、いくつかの加算パターンもありますので、チェックしておくべきです。

 

ちなみに窓口は労働局の 職業対策課で、金沢では駅西合同庁舎内にあります。

ここではわかりやすくするために、細かい条件等は省略していますので、実際に申請する場合には、労働局から出ている要綱等を必ず確認してください。

 

基本的な支給額

 

金額は、1人当たりです。1年度に1事業所当たりの申請上限は20人までとなっています。

 中小企業中小企業以外
有期雇用 → 正規社員57万円 <72万円>42万7,500円 <54万円>
有期雇用 → 無期雇用28.5万円 <36万円>21万円3,750円 <27万円>
無期雇用 → 正規社員28.5万円 <36万円>21万円3,750円 <27万円>

< >内は、生産性要件を満たした場合です。

 

加算額

 

派遣労働者を派遣先で正規社員として直接雇用した場合には、1人当たり28.5万円<生産性要件で36万円>が加算されます。

 

母子家庭の母、父子家庭の父を、
有期雇用→正規社員へ転換した場合は、1人当たり95,000円<生産性要件12万円>
有期雇用→無期雇用または無期雇用→正規社員へ転換した場合は、1人当たり47,500円<生産性要件6万円>
が加算されます。

 

若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を、
有期雇用→正規社員へ転換した場合は、1人当たり95,000円<生産性要件12万円>
有期雇用→無期雇用または無期雇用→正規社員へ転換した場合は、1人当たり47,500円<生産性要件6万円>
が加算されます。

 

勤務地・職務限定社員制度を新たに規定し、正社員化をした場合1人当たり95,000円<生産性12万円>(中小以外は71,250円<9万円>)が加算されます。

 

その他、 人材開発支援助成金(特別育成訓練コース)の有期実習型訓練を修了したものを転換等した場合、人材開発助成金に規定する額で申請できます。

 

労働者の条件

 

まず、転換等しようとする労働者が、下記である必要があります。

  • 雇用または派遣される期間が6か月以上
  • または、有期実習型訓練を受講し修了

 

さらに、下記のいずれかに該当する場合は、 対象外となります。

  • 正規社員として雇用されることを約して雇い入れられた。
  • 過去3年以内に、当該会社の関係会社等で役員や社員であった。
  • 事業主や取締役の3親等以内の親族
  • 転換後に時間外労働や休日労働があった。
  • 就労継続支援A型の事業所の利用者。
  • 転換後、定年までの期間が1年以内。
  • 当該会社で定年を迎えた者でないこと。

 

特に、「正社員として雇用されることを約して雇い入れられた」場合でないことに注意してください。

もともと正社員としての雇用を希望する労働者を、この助成金をもらうためだけにお互い示し合わせて有期雇用労働者として雇用し、助成金をもらった後、約束どおり正規社員に転換することは、認められません。

こういった方法を勧める方がいるかもしれませんが、もし労働局に不正が発覚すれば、助成金の返還だけなく、以後しばらく有利な制度を利用することができなくなるということになります。場合によっては、企業名の公表を受けるなどの罰則を受けることもあります。あるいは実刑を受ける可能性もあります。そうなると、 企業としては大きなダメージを負うことになりますので、いくらかの助成金のために、リスクを冒すべきではありません。

怪しい場合には、労働局からの聞き取り調査などが行われる場合もあります。「社員と示し合わせているのでバレるはずがない」と思うかもしれませんが、調査されるときに、その社員が不満なくずっと自分の会社で働いているとは限りませんよ。

この場合は、正社員ではなく、とりあえず有期雇用で様子を見て、その期間中に正規社員としての採用を検討するということを正しく伝えるべきです。
その結果、その社員が入社を断り他社へ行ってしまうかもしれませんが、そういうリスクが伴うことを理解して、助成金を利用しましょう。

この点、派遣社員からの直接雇用のパターンであれば、もともとそれを希望しての契約なので、使いやすい制度になっていると思います。

 

事業主の条件

 

必要な条件はおおむね以下のとおりです。

  • 転換制度を就業規則等に規定している。
  • 転換した労働者を 雇用保険および社会保険の被保険者として6か月間以上継続雇用し、転換前の賃金より5%以上増額させている。
  • 転換した労働者以外に正規社員がいる。
  • 転換した日の前後半年間に解雇した社員がいない、またはそれに近い対応をしていない。
  • 派遣社員からの直接雇用の場合、違法派遣からの転換でないこと。
  • 派遣社員からの直接雇用の場合、派遣期間が満了するまでに直接雇用の契約をし、1か月以内に就業を開始すること。

 

手続

 

転換等を行う前に、キャリアップ計画を提出し、認定を受けます。また、就業規則等に必要な事項を加えて届出もしておく必要があります(すでに規定がある場合は、不要です)。

助成金の申請は、 転換後6か月経過したときから、2か月以内に行ってください。

 

提出書類は以下のとおりです。

  • 支給要件確認申立書、支払方法・受取人住所届
  • キャリアアップ計画書(認定を受けていること)
  • 就業規則等、労働条件通知書等、賃金台帳、雇用契約書等、タイムカード等
  • 会社の登記事項証明書(中小企業の場合)
  • その他、加算する場合に要件を証明する書類(母子または父子家庭であること、若者雇用促進法の認定、生産性要件を満たしている、など)

 

派遣労働者への適用

 

派遣会社では、その使用する派遣社員を、派遣先企業が「正社員化したい」という申し出があった場合に、紹介料を取ることが多いです。これは、紹介予定派遣の場合でも、通常の派遣の期間満了時の場合でもありますが、派遣会社としては、いい派遣社員を確保するために広告や研修などで費用を使っていますので、派遣期間だけでは回収できなかった投資額を紹介料という方法で賄おうとしています。

もともと労働者派遣法では、

第30条 派遣元事業主は、(省略)次の各号の措置を講ずるように努めなければならない。
1 派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること。
2 派遣労働者として就業させることができるように就業(その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る。)の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
3(以下省略)

という規定があり、派遣元企業は、派遣期間終了後にはその労働者に就労の機会を確保するために、何らかの措置を取る努力義務が課せられています。
その中で、派遣元が派遣先企業に労働者を正社員として雇用してもらう、ということが選択肢の一つとなっています。

人手不足のご時世ですが、中小企業の社長の中には、有料職業紹介を利用することにまだ抵抗のある人がいます。これまでハローワークからの採用を主としてきた場合には、「そんなにお金払わないといけないの?」と思ってしまうようです。

そんな場合に、派遣社員を直接雇用した場合には助成金額が加算されることもあり、派遣会社などはこの助成金で紹介料を相殺してもらい、上手に人材確保をしてもらうように勧めているようです。

 

 

One comment

  1. ピンバック: おすすめの助成金(人材確保・労務管理)

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