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年次有給休暇の取得(使用)と注意事項

 

働き方改革によって、年間10日以上付与された労働者には、5日以上を取得(使用)させないとならないということが決まりました。運用開始は2019年4月からとなっています。

 

5日以上の付与について整備する前に、もう一度、年次有給休暇の取得について基礎を再確認することも重要です。

ここでは、年次有給休暇の 取得について、基本的なことを説明します。

 

年次有給休暇の付与については、>年次有給休暇がもらえる時期と日数

働き方改革での変更点は、>働き方改革の注意点(有給休暇)

 

年次有給休暇の原則的な取得

 

利用の目的

 

年次有給休暇の取得にあたって、その 目的は基本的に問わないこととされています。大事な用事があるときはもちろん、旅行に行ってもいいし、特に何もせず家で寝ているだけでも構いません。それについて、使用者が制限することはできません。

 

ただし、事業場の正常な運営を阻害するために、「 一斉休暇闘争」に利用する場合には、制限されることとされています(昭和48年3月2日白石営林署事件)。一斉休暇闘争とは、ストライキの一種です。

しかし、自分の職場ではなく、違う職場のストライキの支援のために取得する有給休暇は認められます。

 

時期指定権

 

年次有給休暇は、基本的には労働者が時季を指定して取得するものとされています。

 

ただし、休職期間中に年次有給休暇を取得するような、時季の指定はできません(昭和24年12月28日基発1456号)。しかし、休業期間中の指定は可能となっています。

(休職と休業の違いは別ページにて確認ください)

 

また、育児休業期間については、休業申出には時季指定ができません(平成3年12月20日基発712号)。しかし、休業申出前に時季指定し、その後休業申出した場合には、その期間であっても有効となります。

 

時季変更権

 

使用者は、労働者が指定した時季について、事業の 正常な運営を妨げる場合は、他の時季に変更してもらうことができます。ただし、これは代わりの人員を用意するなど最大限の努力をした結果、それでもどうしても休んでもらっては困る、という場合ですので、かなり制限的なものになります。

 

派遣労働者について正常な運営を妨げるかどうかは、派遣元について判断されます(代わりの人員を派遣できるかどうか)。

 

長期で年次有給休暇を取得しようとするときは、労働者は使用者との間で事前の調整を要するものとされます。事前の調整なく時季指定があった場合は、使用者が時季を変更する権利にある程度の裁量が認められることになります。

 

変則的な取得方法

 

計画的付与(使用者からの時季の指定)

 

労使協定を結んだ場合には、付与された年次有給休暇のうち、 5日を超える部分については、使用者が時季を指定して取得させることができます。

5日までは、必ず労働者に自由に時季指定させなさい、ということになります。なお、5日は繰り越し分も含めてカウントされます。

 

付与の方法は、事業場で一斉にしたり、班別にしたり、個人別にしたりと自由にできます。計画的付与がされた場合には、 時期指定権および時季変更権は行使できません

 

年次有給休暇の残日数が少ない労働者について、計画的付与をされてしまうと残日数が足りないという者については、追加で有給休暇を与えるか休業手当を支払うなどの対応が必要です。

 

時間単位年休

 

労使協定の締結によって、時間単位での取得が可能になります。ただし、時間単位として使用できるのは、 年に5日以内です。労使協定には、1日が何時間に相当するかを定める必要があります。

 

時間単位での請求に対しても、時季変更権は適用されます。ただし、時間単位を日単位に変更するといったことはできません。

また、計画的付与を時間単位で与えることもできません。

 

年次有給休暇の使用に関する注意点

 

有給休暇中の賃金

 

有給休暇とは、その名のとおり休んでも給料をもらえるという意味です。それでは休んだときの給料は、いくら払われるでしょうか。

これについては、以下から選択して就業規則等に取り決めをしておく必要があります。
①平均賃金
②所定労働時間労働した場合の通常の賃金
③労使協定により、健康保険法の標準報酬月額の30分の1に相当する金額

 

不利益取扱い

 

当たり前の話ですが、年次有給休暇を取得した労働者に対して、使用者が不利益な取り扱いをすることは許されません。労働者の当然の権利ですので、それを阻害するようなことをしてはいけません。

 

年次有給休暇の買上げ

 

付与した年次有給休暇を買い上げる予約をし、年次有給休暇を与えないということは法の趣旨に反しますので、認められません。ただし、法定の付与日数を超えて付与している場合に、超えている部分を買い上げることは許されます。

 

罰則

 

違反の罰則は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となっています。

 

 

3 comments

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  2. ピンバック: 労働契約を結ぶときの注意事項

  3. ピンバック: 働き方改革の注意点(有給休暇)

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